前回の記事で、一番有効な貧血対策は食事で栄養補給することだと書きましたが、貧血に効く食べ物とはどんなものでしょうか?
妊婦さんの貧血のおよそ9割が鉄欠乏性の貧血と言われています。
体内の鉄は、その約70%が血液中の赤血球をつくっているヘモグロビンの成分になっていて、貧血が起こるということは血液中の赤血球の数が減っているということです。
貧血を予防・改善するために鉄分を豊富に含む食べ物を食べるのが効果的なのです。
妊婦さんの貧血に効く食べ物
食品中の鉄には、動物性食品に含まれるヘム鉄と植物性食品に含まれる非ヘム鉄があります。
それぞれどんなものか、多く含む食材もあわせて見てみましょう。
ヘム鉄
レバーやお肉の赤身、貝類などに含まれていて、体に吸収されやすい鉄分です。
その吸収率は10~20%で、小腸上部の粘膜にて吸収されます。
ヘム鉄には筋肉の中で酸素を蓄えることの出来るミオグロビンが多く含まれているため、ヘム鉄を含む食材を摂ることで、体の酸素不足が改善されます。
非ヘム鉄
野菜や果物に含まれていて、ヘム鉄と比べると体に吸収されにくく吸収率は1~6%しかありません。
野菜や穀物、海藻類などを摂る機会が多いので、日本人が摂取している鉄分のほとんどが非ヘム鉄だと言われています。
非ヘム鉄は体に吸収されにくいため、沢山食べなければ中々効果を実感出来ません。
鉄分の吸収をよくするには?
栄養素の中でも鉄分は体に吸収されにくいので、効率良く体に吸収させるにはビタミンCやタンパク質と一緒に摂るのがオススメです。
緑黄色野菜やビタミンが豊富な果物と一緒に食べれば、ビタミンCが鉄分に作用し体に吸収されやすいように鉄分を変化させることが出来るので吸収率が上がります。
また、鉄分はタンパク質と結びつくことで小腸からの吸収が良くなります。
卵肉や魚、卵や乳製品、大豆などの良質なタンパク質は体で生成することの出来ない必須アミノ酸も含んでいるため、鉄分と一緒に摂取するのがオススメです。
このように、貧血に効く食べ物は単独で摂るのではなく吸収を良くする栄養素とのバランスを考えて摂りましょう。
貧血は鉄剤やサプリメントで改善することも出来ますが、食べ物で改善していく方が安心、安全です。