人によっては生理前ではなくて、生理中に便秘の症状が出る人もいます。
生理前の便秘はPMS(月経前症候群)である場合が多いのですが、生理中に便秘になる原因は何なのでしょうか?
毎回決まって生理中に便秘になるという人は、生理中の便秘の仕組みを理解した上で、便秘解消のための対策を行うようにしましょう。
生理中に便秘になってしまう原因
生理中に便秘になってしまう原因としては、大きく分けて二つあります。
生理痛がひどい人ほど、便秘になりやすい傾向にあります。
生理痛により食欲が低下したり、食事をすることが苦痛で食べられなくなったりすると、腸内に届く消化物が少なくなります。
大腸では食事から摂取した消化物が大腸に入って来ることで、便を体の外に押し出すぜん動運動が起こるようになっていますので、消化物が少なくなると、便を体の外に押し出すぜん動運動が起こりにくくなってしまいます。
また、新しい消化物が腸内に入って来なければ古い便を押し出すことが出来ませんので、食欲の低下が便秘に大きく影響を与えていると言えるでしょう。
生理中は、絶えず出血をしています。
出血をしているということは、体内の血液量自体が減少しているということです。
血液量が少なくなると、体温が下がってしまいます。
体温が下がることで内蔵機能の働きが低下し、結果として大腸でぜん動運動が起こらなくなり、便秘になってしまうのです。
また上記以外にも、生理前と同じく女性ホルモンの影響もあります。
生理中には、便秘になりやすい条件が複合的に重なってしまうのです。
生理中の便秘を解消するには?
では、生理中の便秘を解消するにはどうすればよいのでしょうか?
「①食欲の低下」が原因とはいえ、食欲が無い中、無理やり食事を取るのも難しいと思いますので、
まずは「②出血による血液量低下」について対策を考えましょう。
前述の通り、生理中は血液量が低下し体が低温期に入ります。
体が冷えてしまうと便秘になりやすくなるので、出来るだけ体を温めるようにしましょう。
脚浴や腹巻き、温かい飲み物を飲むなどが効果的です。
特にシルク製の腹巻きなら、熱い夏場でも蒸れずに着用することが出来ます。
またストレッチなどの軽い運動も、体を温め、自律神経を整えてくれるのでオススメです。
生理中の出血によって、体内の鉄分が不足しやすくなっています。
鉄分が不足すると体内で酸素を運ぶヘモグロビンが不足してくるため、
体中に酸素が行き渡らなくなり、結果冷え性になってしまいます。
鉄分を効率よく摂る事によって血流が良くなり、体温コントロールがし易くなります。
ここで注意してほしいのは、摂取する鉄分の種類です。
鉄分には『非ヘム鉄』と『ヘム鉄』の2種類がありますが、『非ヘム鉄』は身体に吸収され難く胃腸に負担がかかるため、逆に便秘になってしまう可能性があります。
摂取する際は吸収率の良い『ヘム鉄』を摂取するようにしましょう。
(ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて約6倍も吸収率が高い)
ヘム鉄は動物性の鉄分であり、肉や魚に多く含まれています。
ヘム鉄が良く含まれている食品には豚レバー、鶏レバー、しじみ、あさり等が上げられます。
なお、非ヘム鉄は植物性の鉄分であり、ほうれん草や小松菜、ひじき等に含まれています。
レバーが苦手と言う方や、食品からの摂取だけでは難しい場合、サプリメントを使って鉄分を補うのも良いでしょう。
また、ビタミンCやクエン酸を一緒に摂る事で鉄分の吸収率が上がることが分かっています。
特にビタミンCは便を柔らかくする効果がある為、鉄分との併用におススメです。
サプリメントの中にはヘム鉄とビタミンCの両方が配合されている物もあります。
生理中に体を温める(冷やさないようにする)、鉄分を摂るという事は、
便秘解消に限らず重要なことなので、日ごろから心がけるようにすると良いでしょう。
特に鉄分の摂取は便秘だけでなく、貧血対策としても有効ですので、是非検討して見て下さい。
※ただし過剰摂取は逆効果ですので、一日の摂取量を守って使用しましょう。