妊娠すると体の内側、外側共にさまざまな変化が起こります。
つわりが現れたり便秘になったりといった体調の変化はもちろんですが、ひどいかゆみなど、肌状態の変化に戸惑う妊婦さんも多いものです。
特に入浴時や布団に入って体が温まった時に、お腹や腕、足などの様々な場所にかゆみを感じる人はたくさんいます。
なんだかかゆいという程度のものから、かき壊して二次的な肌トラブルを招いてしまう程のかゆみまで、程度や場所に違いがあっても、妊娠中にかゆみに悩まされる人は多いのです。
体中に現れるかゆみにはどんな原因があるのか見てみましょう。
妊婦さんを襲うかゆみの原因
妊婦さんを襲うかゆみには複数の原因が存在しています。
肝機能の低下
妊婦さんの体内で分泌が盛んになっているエストロゲンという女性ホルモンには、肝機能を低下させる作用があるため、肝臓に胆汁が溜まりやすくなってしまうのです。
胆汁は皮膚に深く関係しているため、胆汁の流れが悪くなることで皮膚が乾燥しやすく、かゆみが引き起こされやすくなってしまいます。
妊娠性皮膚掻痒症(にんしんせいひふそうようしょう)
妊婦さんの2~3割が経験すると言われる皮膚疾患で、強いかゆみがあるのが特徴です。
妊娠することで体の中のホルモンバランスが崩れるという内的要因と季節的な乾燥や紫外線の影響などの外的要因が合わさることで発症しやすくなります。
妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)
強いかゆみと皮膚の赤み、湿疹が出るといった症状は蕁麻疹に似ていますが、出産が終わるまで続きます。
2回目以降の妊娠で発症しやすく、一度発症すると次回以降の妊娠時も発症しやすいと言われています。
妊娠性疱疹(にんしんせいほうしん)
強いかゆみにより、皮膚を掻きむしってしまって水ぶくれや炎症が起こります。
水ぶくれは破れやすく、妊娠性痒疹と同様に一度発症すると次回以降も発症しやすい疾患です。
妊娠中のかゆみ対策は?
妊娠中のかゆみ対策はどのようにしたら良いのでしょうか?
保湿ケア
妊娠中は、ホルモンバランスの変化によって肌が乾燥しやすい状態になります。
肌内部の水分が不足することで肌に隙間が空いたようになってしまい、ちょっとした刺激に肌が過敏に反応してしまうため、かゆみが引き起こされるのです。
肌内部に水分をたっぷり与えて乾かさないようにしましょう。
特にセラミド配合のボディクリームは、保湿力が高いのでオススメです。
刺激を与えない
体を洗うとき、ゴシゴシ擦ったりナイロンタオルで洗ったりすると、肌表面が傷つき乾燥に拍車がかかるので、泡をしっかり立てて天然素材のボディタオルを使うようにしましょう。
肌に触れる衣類も化学繊維は避け、綿や絹などの肌に刺激を与えないものを選びましょう。
ビタミンAの摂取
ビタミンAには、肌の新陳代謝を促進したり皮膚や粘膜を強くする働きがあるので、ビタミンAが不足すると肌荒れが起こりやすくなります。
サプリで補う方法もありますが妊婦さんの場合は食事から摂取する方が安心なので、イワシやサバ、βカロチンを含むニンジンやカボチャなどを食事に取り入れてみましょう。
かゆくてもかかない
かゆいと掻きたくなりますが掻くことで更にかゆみを引き起こしてしまうので、掻かないようにしましょう。
我慢できないときは幹部を少し冷やすと、少しかゆみを抑えることができます。